友だちのうちはどこ?

 友だちのうちはどこ?
 監督/アッバス・キアロスタミ

 第二回午前十時の映画祭。
 楽しみにしていたひまわりとミツバチのささやきが上映中止になってしょんぼりしてたけど、他にも見たい作品がいくつかあった。
 この作品もその内の一つ。
 随分前からキアロスタミ作品を見たい見たいと思っていたものの、何にせよ見れる機会が少ないという…映画ではよくあることだが。
 レンタルは置いてないし、DVDは軒並み廃盤。
 極稀にミニシアターなどで特集を組まれてはいるものの…足を運ぶタイミングを逃したり、終わってから上映に気付いたり…散々である。
 実際、ついこの間までユーロスペースで上映してたらしい。
 なんてこったい。
 まぁとにかく。
 今回は良い機会だったので、足を運んできたワケである。

 イランの田舎にある小学校、モハマッドは宿題をノートではなく紙に書き先生に叱られていた。
 次に紙に書いてきたら、退学させると先生に告げられるモハマッド。隣の席に座るアハマッドが家に帰ってみると、そんな彼のノートが一緒に鞄に入っていた。ノートを返さないと、宿題を出来ずにモハマッドが退学してしまう。
 アハマッドは、在処を知らない友だち家を探しに行くことになる。

 というお話。
 間違って家に持ち帰ってしまった友達のノートを、返しに行く。
 そう、この映画はたったそれだけの内容である。
 …のだけど、実に面白かった。
 とにかく、アハマッドを演じる子役の演技が良い。
 台詞は少ないのに、挙動や表情で何を思い、何を考えているのかが大体分かる。それは同時に、子供時代に似たような経験をした、から理解出来るという側面もあるんだろう。
 電話も、携帯も何も無い、相手の名前しか知らない家を探しに行く。
 知らない町に行き、知らない人に声をかける。自分は必死なのに、周りの大人達は大したことのないことのように、アハマッド少年を軽くあしらっていく。
 文化的、宗教的な違いもあるんだろうけど、そういう大人達に理不尽を覚え、自分の知らない場所に感じる言いようのない不安感や、焦燥感といったもの。
 そういった、子供時代に誰もが思ったこと。
 それを少年の視点から、凄く丁寧…というか、自然に描いてる感じ。
 映画のような、ドキュメンタリーのような作りで。
 全く派手ではないのだけど、説得力のある展開と画面の力、演出が上手いんだろうか。
 それで、最後にはほっこりするオチもある。
 いやぁ、やっぱり見てよかった。
 良い作品です。

 アハマッド少年は、結構内気気味な性格みたいなので。
 見ていると、凄いヤキモキする。
 関わってくる大人達は、そんな少年の境遇を知らずに好き勝手言ってくるので、見ている側としてはやっぱりヤキモキする。でも、それは決して不快ではない。
 日本的に言うなら、はじめてのおつかい、みたいな心境なんだろうな。
 少年の小さな冒険を、見守るようなね。
 そういう意味では、日本受けも良い作品なんだろうなぁ。

 うーん、増々キアロスタミの他の作品が見たくなってきた。
 早く傑作選を再販して下さいよー
 映画のDVDって、すぐに廃盤になるんだよなぁ。
 BDを待つしか無いのかな…

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