プリキュアオールスターズNS

 映画 プリキュアオールスターズ NewStage みらいのともだち
 監督/志水淳児

 見てきた。
 毎度お馴染みプリキュアオールスターズ、その単館上映としては4作目になる本作。
 あまりにもプリキュアが増えたため、2作目ですでにスタッフにもう無理、と言わしめ、3作目にはこれがもう本当に最後で最後、ということではあったのだが。
 去年のスイート劇場版のラストで、今回のNewStageが報じられる。
 正直、嬉しいことではあるが、作画やキャラクタの絡み含めて、もう不可能だろうと。
 そういうワケなので、今までのオールスターズとは違う試みを本作はしてある。
 これが、恐らくは本作を楽しめるか楽しめないかの分かれ道、だとは思う。

 突如みなとみらいに出現した巨大な怪物/フュージョンは、プリキュアの活躍によって倒された。
 そんな彼女達に憧れる少女/坂上あゆみは転校してきたばかりで、上手く新しい学校や街にも馴染めず、母親とも衝突しつつ…一人鬱屈した日々を送っていた。
 しかし、ある日彼女は不思議な生物/フーちゃんと出会い、徐々に明るくなっていくのだが…

 そんな感じ。
 ASでは度々登場するフュージョンが今回の黒幕、ただし再び復活したフュージョンなのか、それともDXとは別のパラレルな世界軸での話なのかはまた不明。仕切り直しなのかもしれないが。
 で、今回重要になるのは劇場版の新キャラクタであるあゆみチャン。
 物語の鍵でもあり、その上問題でもあるファクターなのだが。

 個人的には面白かったし、満足出来た内容ではあるのだが。
 人によっては、恐らく物凄い退屈なんじゃないだろうか。それは、特定の各作品のファンであったり、それこそメインターゲットの幼女達にとっても。
 まず第一に、オールスターズであってオールスターズではないこと。
 このNew Stage、そもそも5以前のプリキュアにはセリフが一言もありません。
 映像としての参加はあるのですが、他キャラクタとの絡みも無く、物語としての立ち位置や出番などはほとんどオマケ程度で、ゲストや客演扱いよりも酷いかもしれない。
 そのため、5以前のファンやら、全員の絡みが見たいという人には不満かも。
 …ただし、これはそもそも前回のDX3で全員を活躍させることに限界があったので、いつかは過去の作品の出番は無くなるということは、ある程度予想できたことなので。
 仕方のない事です。
 尺や作画、脚本にも都合があるだろうし、もう10年近く続いているシリーズなので、すでに初代から知るような幼女はいないだろうし、販促的にも旨みはありませんしね。
 ちなみに俺は5が一番好きなのだが、やはりそこは少し残念。
 折角コンセプトが似てるスマイル組との絡みがあると思ってたのに、まさか絡み0とは。

 しかしそこはグッと堪えるとして、ここで注目すべきはあゆみチャン。
 このNew Stageは、実質この娘が主役であり、主人公。
 そして、プリキュア達はあゆみの願いを叶えるために動く、一種の舞台装置と言っていい。
 今回の映画のキャッチコピーは「女の子は誰でもプリキュアになれる」である、早い話が、その言葉通り視聴者である「女の子」の代理として動くのが、このあゆみチャンである。
 もっと簡単に言うと、メタフィクション的な話なのね。
 あゆみは普通の女の子で、誰もが共感出来る当たり前のような悩みを抱えている。
 憧れだったプリキュアも、同じような普通の女の子であること知り、そして励まされ、自分を変えていこうと一歩踏み出す強さや意思というものを手に入れていく。
 つまりあゆみはプリキュアを見る少女達の化身であり、投影でもある。
 プリキュアがあゆみに語る言葉は全て、映画を見に来た少女達に向けた言葉でもある。
 だからこその、キャッチコピーになるワケなのだが…

 確かに凄く分かりやすいメタ作品なんですが。
 問題は、それをメインである幼女達が知覚出来るか、そして求めているか、なワケで。
 幼女達は、いつもTVで見ているプリキュア達が大スクリーンで活躍するところを見たいのであって、見たことのない新キャラが出張ってくる話なんて求めてない。
 …んじゃないかな、というのが個人的な感想の一つ。
 あゆみと自分をシンクロして見てみれば、幼女にとっても凄く勇気づけられる話になってるとは思うんですわ。純粋に一人の少女の話としては面白かったし。
 でも、イキナリ主人公として登場した娘に、幼女が意識を集中することが出来るか…
 あと、テーマがちょっと難しいんじゃないか、と思うとうーむと捻る。
 いやね、ごくごく普通の女の子が、ちょっと特殊な力を持つことになった普通の女の子と出会う成長物語、としては単純に出来は良いんですよ。
 ただ、それを面白いと思える人は結構限られてるんじゃないかな、と。
 これをプリキュアオールスターズでやるの?という感じで。
 プリキュアだからこそ出来る内容でもあるんだけども。

 さてそれらを踏まえた上で。
 プリキュアの出番は、主にスマイルとスイートに絞られ、ハトキャとフレッシュがゲスト扱い。それ以前はセリフが一言も無い顔見せ程度のものだと思って下さい。
 そして、実質の主人公はオリジナルキャラクタであるあゆみチャン。
 そのため、オールスターズというよりは、あゆみの成長話にスマイルVSスイートを混ぜ込んだような内容。とそんな感じになってしまっています。
 これなら、もう割りきって戦隊やライダーと同じで今年度と去年のプリキュアのVSでいいよな。
 そんな気さえおこる。
 しかし、純然たる女の子の成長、それにプリキュアが協力するという構図は新しく面白い。
 過去作の出番を削ったとは言え、その分スマイルとスイートの絡みは強化されており、共演という意味では大変美味しい。響×みゆきは流行る。
 そのため、ある程度の割り切りが出来て、単一作品としての完成度を求める俺は大変満足。
 面白かったですわ。
 ただし、過去作品に思い入れが強過ぎる人、あくまで「プリキュア」が見たい人。
 そういう人にはオススメ出来ない内容にはなっていると思う。
 その辺は好き好きかな。

 で、次回スマイルプリキュアの劇場版は10月公開。
 当然見に行ますよ、ええ見に行くとも。

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Author:波多緒理樹
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同人描いたり酒飲んだりする
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