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ラノベのら 2

 いい歳こいたオッサンが、今更ながらここ最近のラノベを適当に読む。
 そんな日常を、しばらく続けています。

 氷菓/米澤穂信

 を読んだ、ちょっとラノベというには志向が違うのだけども。
 さて、前回書いた通り、俺が読むラノベを選別する条件は主に二つ。

 一つ、それなりに巻数が出ていて、その上でそれなりに有名なもの
 二つ、アニメ化、ドラマCD化していないこと。コミカライズはギリギリ可

 なのだが。
 この氷菓という作品、俺が読んでいる途中に京アニ制作でのアニメ化が決定してしまった。
 何てことだ、二回目にしてこれでは面目が立たない…
 しかし、新作の青田買いという点では成功しているので、気にしないことにする。

 舞台は極普通の進学校、無気力で灰色な主人公が、姉の奇妙な勧めで古典部に入部する。
 そこに集まる癖のある生徒達、そして、一つの事件が彼らを巻き込むことになる。

 大体そんな内容。
 分類としてはミステリらしいのだが、俺はミステリが苦手なので細かい定義は分からないし。
 ライトノベル、というよりはジュブナイル、若年層向けの文学小説といった感じだった。
 そもそも挿絵は存在しないし、キャラクタイラストなどの口絵などもない。
 派手な事件も、非日常的な物語も展開しないし。
 キャラクタも癖はあるものの、所謂キャラクタを立たせるもの、というよりは物語を円滑に機能させるためのキャラ付け、という気がした。あくまで舞台装置として動いているような。
 そんなワケで、ラノベ、の定義からは外れるかもしれない。

 個人的には、特に面白いわけでもなく、つまらないわけでもなく。
 何か新しい発見があるわけでもなく、キャラクタに魅力があるわけでもなく。
 文章に惹かれるものがあるわけでもなく、物語のギミックに感心するわけでもなく。
 そんな話でした。
 つまり、普通…というとありきたりだが、良い意味でも悪い意味でも感じるものが特になかった。

 この氷菓、という作品は古典部シリーズ、とされ続刊もされている。
 主な内容は、周囲で起こるちょっとした事件を、主人公である折木少年や古典部の面々が解決していく…というカタチになるのだろう、少なくともこの第一巻にあたる話ではそうだった。
 その事件は何か特別な力、や超常的なものが加わっているものではない。
 あくまでも現実的で、それを珍妙な発想で解決していく、というものだ。
 児童文学にあるような探偵物、を現代的に、そしてちょっと高年齢向けにした感じだろう。
 すなわち、この評価という作品は、ライトノベルの流れをくむ作品ではなく。
 児童文学の流れに沿った作品とも言える、話やキャラクタの作り方も。

 この作品の面白さ、というと。
 ミステリよろしく、様々な事件を、古典部の面々が解決していく過程。
 それに加えて、無気力で灰色な主人公、理屈屋で皮肉屋な同級生、ちょっとでも気になることがあるとハッキリさせないと気が済まないヒロイン(?)といった面々の言動だろう。
 ライトノベルのキャラクタ程非現実的ではないが、個性的な面々が事件を解決していく。
 やや古風な言い方をすると、ヤングアダルト向けの娯楽小説。
 明らかにラノベ、とは異質なものではあるが、とりあえずラノベの中に入る。
 そんな感じを受ける。

 俺が何故この作品に特別な魅力を感じ得なかったのかというと。
 事件のギミックにそれほど特殊性を覚えなかったこと、作中のほとんどが事件の真相の仮説や、真相に至る過程の説明だったこと。そもそも、俺はミステリは苦手なのだ…
 それから、キャラクタが合わなかったからだろう。
 斜に構えて無気力て、でもヤル時はヤルというタイプの主人公は大変難しいのだ。
 この作品の主人公である折木少年は、その上妙に洞察力に優れ、自分の性質をさも悟ったように語る虚無主義者のように感じる。15歳という年齢だが、流石に主人公として気持ち悪さがある。
 何故このような性格に至ったのか、という説明がされていないのもアレである。
 それから、彼の悪友でもある福部少年も、年齢の割に大変気持ちの悪い言い回しをする。ラノベのキャラクタのような、妙にへりくだった、皮肉と自虐を含んだタイプの、アレである。
 こういったキャラクタは、いかにもラノベ、ならまだいいかもしれないが。
 作中で展開する事件が現実の範囲内に収まる作品なので、とても浮いているのだ。
 そこに、チグハグさを感じた。
 メインキャラクタは他に女の子が二人いるが、コチラの二名はむしろキャラクタが作品に合わせてトーンが低く設定されているのか、大変作品の雰囲気にあっていた、これは問題ない。
 つまり。
 ミステリなのに、そもそも俺ミステリがあんま好きじゃない。
 キャラクタが好きになれない。
 の二点により、この氷菓という作品が、あまり肌に合わなかった、ということだ。

 とは言え。
 ミステリとしてはギミックが単純だし、学園もので内容も分かりやすい。
 キャラクタもラノベ慣れしているなら大丈夫だし、むしろ若年層には受けるだろう。
 なので、好きな人は好きなんじゃないだろうか。
 正しい意味でジュブナイル、な印象は受けたので、実際人気もあるのだろう。
 アニメ化も決定したし。
 アニメ版はとりあえず見てみようかな。
 しかし、アニメ版のメインビジュアルを見てみたけど、「誰だテメェ!?」状態。
 なんだあれ。

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波多緒理樹

Author:波多緒理樹
アニメ見たりゲームやったり
同人描いたり酒飲んだりする
どこにでもいるような人間

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