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劇場版ラブライブ

 劇場版 ラブライブ! The School Idol Movie
 監督/京極尚彦

 見てきた、公開二周目くらいに。
 初日は混みそうだったしね…実際人入りは良いようで、現在のラブライブ熱を感じますな。
 …来場特典目当ての人がほとんどだとは思うが。

 内容はTVシリーズ二期後、の話になる。
 なので、あらかじめTVシリーズを見ておくと良い。
 正直なところ、一本の映画、としてはあまり良い出来ではない作品なので、楽しむためにはある程度の事前知識が必要になる。これはちょっとマイナス点でもある。
 それでも、TVシリーズを踏まえた上での完結編。
 ひいては、ラブライブというコンテンツの一つの着地地点。
 そういう点で見れば、また評価も変わってくるだろう。

 内容に関しては、自分達の役割を終えたμ'sの9人…
 というか、主人公扱いである穂乃果が、自分達のこれからを模索し、結論付けるというお話。
 それに至るまでには、肥大化し過ぎた自分達の人気や、立ち位置に悩み。
 自分はどうするべきか、どうしたいのか、とひたすらに悩む。
 とにかく、悩みに悩んでいる話。
 そのためか、全体的なストーリーラインはやや暗めで、途中途中入るミュージカル的な演出がちょっと浮いてる気さえする。多分、新曲を流すための苦肉の策だったんだろうな。
 そして、穂乃果以外の8人は特に悩むことも、さしたるストーリーがあるわけでもなく。
 TVシリーズ同様の、いつもと変わらぬ8人が描かれている。
 この辺は意図的なものだろう、この劇場版は、穂乃果の話ということに徹底している。
 それは、穂乃果の導き出した答えを視聴者に伝えるための映画ということで。
 これからのラブライブがどうなるのか、を伝える映像だというこでもある。

 ラブライブTVシリーズが始まったのは2年前。
 …ですが、企画そのものが動き始めたのは5年前の話。
 この劇場版ラブライブですが、いつ頃からラブライブを知っているか、によって見方が全然変わってくるはずです。内容を見る限り、そういったメッセージがあると感じました。
 TVシリーズからラブライブを知った人は、TVアニメの完結編。
 一本の物語としての、明確なラストを描いた作品として映るだろう。
 あくまで、アニメ作品としてのラブライブの最後、の提示になる。
 …しかし。
 ラブライブというアニメ作品、ではなく、ラブライブというコンテンツを最初期から応援している身で見るこの映画は、素晴らしすぎてもう上映中に何度泣いたか分からないくらい。
 本当に最高だった。
 こんなに映画館で泣いたのは久しぶりだ。

 分かりやすく書くと、この映画はμ'sの解散コンサートなのよね。
 だから、それは確かに一本の独立した映画、としては残念な出来なのは当然です。
 凄い単純な話で、今まで応援してくれたファンにありがとう、凄く悩んだしお別れするのは辛いけど、私達はアイドルを卒業します!ということを伝えるだけの映画。
 これが良い。
 これが本当に素敵だ、これだけのことがこんなにも素晴らしいし、感動もする。
 さて。
 本編中で盛んに出る単語には、μ'sが人気になり過ぎたこと、ファンはこれからも続けて欲しいこと、現状のμ's熱はもう自分達の意図したものではないこと、があり。
 それと同時に、応援してくれたファンに応えたい、そしてどうすればいいか、がある。
 現在のラブライブというコンテンツそのものを表してますね、分かりやすい。
 コンテンツというのは摩耗するものです。
 続けるにしても、一旦どこかで区切りを付けないとコンテンツが死にます。
 そして、ラブライブも遂にその時期が来たということですね。

 では、どうやってコンテンツをリフレッシュするのか。
 悩む、悩みます。
 制作側もそうとう悩んだことでしょう、同様に、穂乃果もとことん悩みます。
 気軽に切るにしても、続けるにしても、ラブライブはコンテンツとして肥大化し過ぎてしまったワケです。最も正解な答えが、上手く出せないでいる。
 ここで浮上してくるのが、スクールアイドルという概念です。
 スクールアイドルという概念は、過去現在制作されてきた、アイドルものにおける発明の域に近いです。長いことアイドルもの見てきましたが、これはエライことです。
 事務所も、マネージャーもディレクターもプロデューサーもTV局も無い。
 部活の延長線上でアイドル活動をする、この発想は素晴らしい。
 …で、穂乃果、そしてラブライブの制作側が提示した答えが、映画で示されます。

 ラブライブという作品は、μ'sの話ではなく、スクールアイドルの話ということですね。
 μ'sはここで終わるけど、ラブライブは、スクールアイドルは終わらない。
 そういったことを、逃げずに、しっかりと伝えてくれる映画なワケです。
 ラブライブを知った時期によってこの映画の見方が変わる、と言ったのは、これはラブライブというコンテンツそのものを描いた作品だから、ということ。
 TVアニメラブライブのラスト、で終わるには勿体無い内容です。
 自分としては、ずっと応援してきたからこそ、凄く心に突き刺さる映画だった。
 凄い視聴者を見てくれてる映画なんですよこれ。
 今まで応援ありがとう、と素直に言ってくれている映画なんです。
 こんなに嬉しいことはないじゃないですか。

 自分は昔からアイドルものが好きで、作品にはそこそこ触れてます。
 その中で思うことは、特にフィクションのアイドルは卒業しないと駄目だということです。
 アイドルは卒業することで、引退することで、コンテンツを終了することで、最良の状態のまま記憶に残ることが出来る。これを伝説化、とも言っていい。
 ラブライブが伝説化するタイミングは過去にも一度ありました。
 ファーストライブの時ですね、実際、自分もここでラブライブは終了と思ってましたし。
 とにかく。
 伝説になることで、作品的な劣化もすることなく、語られて愛される存在になるワケです。
 で、今回のラブライブですが。
 スクールアイドルという概念を出し、ラブライブというコンテンツは続くけど。
 μ'sは終了し、伝説になります。
 これにより、μ'sは一切の劣化もなく、ファンの間で語られる存在になりました。
 この辺はリアルのアイドルでもそうですが、アイドルは全盛期に引退するべきですね。
 引き際を間違って、伝説化に失敗したアイドルとか目も当てられないです。
 伝説化に失敗した分かりやすい例はアイドルマスターですね。
 制作側が、アイドルものとは一体何か、を全く理解してなかった好例です。

 ダラダラ書いてきましたが、劇場版ラブライブで重要なことは。
 ラブライブというコンテンツそのものを描いた作品だということ。
 ラブライブはスクールアイドル達の話であって、μ'sはその中の一つでしかないこと。そして、μ'sは伝説になり、スクールアイドルはこれからも続いていくこと。
 そして、それを逃げずにしっかりと言葉にしたこと。
 早い話が、μ'sの解散コンサートだということ。
 こんなところでしょうか。
 スクールアイドルの扱い方が、TVシリーズを踏まえると急な感じもしましたが、ここはA-RISEの面々がいたおかげでかなりすんなり入り込めたのは良かったね。
 アイドルものにライバルは必須だよね。
 この映画はA-RISEがいなかったら成立してなかっただろう、TVシリーズが全てμ'sのみで完結していたのならば、スクールアイドル要素が薄まっていたからだ。
 μ'sに並ぶ同等の存在、がいればこそこの設定が輝くのだ。
 そして、このスクールアイドルという概念をラブライブの根源にしたことにより。
 Aqoursの存在がすんなりと入り込めるようになっている。
 …映画にも、Aqoursの面々がカメオ出演すると思ってたんだけどね、残念。
 今後は彼女達がラブライブというコンテンツを引っ張っていくことになりますが、新人にはあまりにも大きすぎるコンテンツです、果たしてどうなることやら。
 ここで、μ'sじゃなければラブライブじゃない!
 …とか言ってしまうような人間は、この映画の何を見たのか、となるので。
 Aqoursにつなぐためにも必要な映画だったんだと思いますね。

 そんなワケで、基本ファン向けの映画なので。
 最初に書いたように、単独の一本の映画、としては別に出来が良い訳ではないです。
 そのため、ラブライブ知らないけど見る→なにこれつまんねぇ、となる可能性大。
 この辺だけ注意すると良い。
 何にせよ満足です、μ'sの最後にこれ以上のものは望めないってくらい良かった。
 あとは…映画の結果に対しての公式の動き次第かな。
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ストライクウィッチーズ OVA-4DX

 ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow 4DX版
 監督/高村和宏

 …何か映画について書くのも久しぶりだなぁ。
 2年くらい何も書いてない気がするけど、その間も色々と映画は見に行ってたのよね。
 ただ、ふと面倒臭くなって書かなくなった。
 せめて見たアニメ映画くらいのことは書いておけば良かったかなぁ。

 今回見に行ったのは、OVAストライクウィッチーズ三作品の、4DX版。
 これが、4DX対応の一部の映画館で特別上映される。
 …4DXとは。
 最近増えてきた3D対応映画、そのさらに上の4Dという、体験型の上映方式である。
 映像に合わせて、座席が揺れ動いたり、匂いが漂ってきたり、水しぶきをぶっ掛けられたり、戦闘シーンでは劇場内で光の演出や、煙などが実際に吹き出たりする。
 これは凄い、未来の上映方式だ。
 うん。
 …見る前は、そう思ってたんだけどね。

 OVA自体は結構面白かったです、スト魔女そのものはそこそこ好きなので。
 OVAの内容は二期終了後から劇場版までの間に起こった話、を各地に散らばった501メンバーにスポットを当て、それぞれ独立した話が三話で構成されている。
 一話一話は30分なので、ちょっとした事件や作戦を描いたものではあるけど、メインになるキャラクタが大体3人程度なので、むしろ丁度いい塩梅で程よくまとまっている。
 OVAということもあって、完全にファン仕様な内容ではあるけど…
 そもそもファンしか見ねぇよ、なので問題はないだろう。
 強いて言うなら、話のメインになれなかったキャラクタのファンはちょっと寂しいかも。
 最後に数カット出番はあったけども。
 ちなみにぼくはペリーヌさんがいちばんすきです。

 で。
 作品自体は良かったんですよ、作品自体は。
 問題は4DXですよ。
 最初は、本当にちょっと座席が揺れたり、ミストが出たりとか、映像にちょっとした体感要素が加わった程度のもの、を想像していたのだけども…そんなどころではなかった。
 映画というより、テーマーパークのアトラクションだった。
 上映開始前に、4DXのサンプル映像が流れたのだけど、その時点で腰がやられるくらいに揺れる、激しく。しかも、シートベルト的なものは一切無し、これはヤバイ。
 もうね。
 楽しかったことは楽しかったけども、これは一回体験したら十分なものですわ。
 激しい振動も匂いも、水しぶきも確かに凄かった、臨場感もある。
 …けど、これは映像作品と一緒に体験するものではないな、とも思う。
 例えばテーマーパークのアトラクション的なものは、アトラクションであることを前提に、映像なり演出が作られてるワケで…何より、体験しても大体10分くらいじゃないですか。
 それをね、1時間30分もの間拘束されてたら、苦痛にもなるってもんですよ。
 …腰は痛いわ、酔うわで大変だった。
 いや、楽しいっちゃ楽しいんだけどね。

 そんなわけで。
 スト魔女自体は楽しんだんですけど、4DXの衝撃が強すぎて凄く疲れた。
 4DXを体験したことのない方は、是非一度体験してみることをオススメします。
 …やっぱりね、映画なり映像作品はゆったりした環境で見たいね!
 そういえば、スト魔女は新TVシリーズをやるらしいですね。
 ただ、いつから放映開始、なのかは未定みたいなので、まだ企画が動いたばかりといったところなんでしょうけど…スト魔女も随分息が長いコンテンツだよなぁ…
 今回のOVAも、改めてEDでキャスト陣見たら、最近の若手がいねぇ!って感じで。
 新作は嬉しいけど、新規視聴者層は着いてこれるかしら。

劇場版CFヴァンガード

 劇場版 カードファイト!!ヴァンガード ネオンメサイア/3つのゲーム
 監督/板垣伸/元木隆史

 見てきた、公開初日に。
 その名の通り、カードファイトヴァンガードの劇場版だが、このご時世にホビーアニメとして、カードゲーム作品として映画化するのは割りと凄いかもしれない。あんま前例がないよね。
 映画自体は二部構成になっており、それぞれアニメと実写作品として上映される。
 アニメ版のネオンメサイア。
 実写版の3つのゲーム。
 上映順としては3つのゲーム→ネオンメサイアになる、上映時間は実写版の方がやや短め。
 …確かに、これで実写版の方が上映時間長かったら辛いと言えば辛いかもしれない。

 【3つのゲーム】

 以前にTV特番として放映された、実写ドラマ版をベースにした続編?である。
 ドラマ版同様、主演をヴァンガードイメージキャラクターとして活躍しているDAIGOが担当し、一部の登場人物とキャストがそのまま引き継いで登場している。
 …とは言え、ほぼ関連性はなく、作品の方向性も割りと異なる。

 個人的には、「まぁこんなもんだろう」といった印象。
 思っていたよりかは悪くはないけども、少なくとも劇場で上映するような実写映画のレベルでは全く無い。評価出来るのは、TCGの実写ドラマ、という前例の無さくらいである。
 とにかく全体に漂う安っぽさが辛い、深夜ドラマの方が金かかってるんじゃないだろうか。

 しかし、その作りのチープさや、大雑把な脚本、主演を含めた本来役者ではない出演者の奇妙な演技など、最初から分かっていれば十分楽しめる内容に出来上がってると思う。
 この映画は、純粋な実写映画ではなく。
 あくまで、ヴァンガードを題材にした実写版、ということを理解して欲しい。
 そうして見れば、ヴァンガードというコンテンツそのものを上手く表現しているドラマだということが分かるし、ファンであるなら尚更盛り上がるはずだ。
 特に主演のDAIGOが良い、演技は決して良くないが、ヴァンガードのDAIGOとしては完璧である。ヴァンガードにおけるDAIGOである説得力と、存在感は流石と言っていい。
 脇役としてヴァンガードやブシロードゆかりの人物を配役しているのも良い。
 全体的なチープさも、むしろ画として派手であったり、リアルであったりすると、カードゲームである魅力が薄れてしまう可能性があるので、逆に正しいのかもしれない。
 その代わり、登場人物達を濃い目に演出することで、バランスをとっている印象。
 上映中は笑いも上がり、割りと好評だった模様。

 そんなワケで。
 ヴァンガードをよく分かってるユーザが見るなら十分楽しめる作品。
 ただし、純粋な映画としてはハッキリ言って見てられない…が、果たして、普通の実写映画として見に行く人がいるのか?となるとまずありえないのも事実である。
 こういう、ホビーの実写ドラマとか増えてもいいかな、とも思う。

 【ネオンメサイア】

 こちらはアニメ版の劇場版になる。
 時系列としては、登場人物などを見る限り、恐らく現在TV放映中のレギオンメイト編終了後だと思われる。そうでないと、少々おかしな感じになるので。
 そして制作スタジオや監督はTVとは異なり、ほぼ全く違うスタッフの手によるもの。
 これだけで正直期待は高まる、TV版はお世辞にも良い出来とは言えないしね。

 個人的には十分満足出来る内容、中々楽しかった。
 自分はTVアニメの劇場版となると、劇場版らしい特別感を作品に求めるのだけども、それに関してはもう言うことなしくらいの充実っぷり。
 ヴァンガードは、TVシリーズだけで四期もある長期シリーズなのだけど。
 このネオンメサイアは、タクトによって世界中から強いヴァンガードファイターが16名集められ、トーナメントバトルが開催される、という流れで始まる。
 これこれ、コレですよ。
 過去シリーズ含めた登場キャラクタから、人気/強いキャラが集められて、トーナメントバトルする…実に劇場版らしい展開じゃないですか。
 さらに、劇場版キーキャラクターとして、コミックス版にのみ登場している伊吹コウジが初登場。これもファンとしては嬉しい要素の一つだ。
 この、過去キャラ総登場。
 アニメ版以外でのメディアのキャラクタの参戦。
 それから、劇場用の新しいカードの無双っぷり。
 これらが、ホビーアニメの劇場版、として実に正統派なのが大変よろしい。

 そして、最大の特徴としては作画の向上がある。
 人物はともかく、棒立ちのユニットが謎ビームによって棒立ちのまま倒されるというバトル描写が目立つTV版は、とにかく作画に金がかかってないのが分かる。
 が、この劇場版は予算が増えたのか、もうユニットが動く動く。
 それはもう動き過ぎて何やってるか分からないくらい動くし、動き過ぎてむしろゲップが出てしまうくらい動く。TVで動かない分、ここぞとばかりに動く。
 やや過剰なところもあるが、やっと動くユニット達が見れた、という意味では大変貴重な劇場版。最初からこれくらいやってくれればなぁ…TVもな…
 脚本の方。
 上記した通り、基本はトーナメントを主軸に展開するが、その影でコウジが暗躍し、タクトのトーナメント開催の真の意図とは…と絡んでいく。
 そこまで複雑ではなく、その上で緊張感のある仰々しさもあり、この辺も劇場版として上手くひとまとまりしているんじゃないかと思う。

 悪い点。
 上記したように、作画に力入っててユニットがバトル時も凄い動くのはいいんだけど、後半になると過剰っぷりが目立って少々胃もたれしそう。
 他、バトル描写はいいが、実際のカードバトル描写はかなりおざなり。
 どういう効果で、どういうことが起きているのか、誰が誰を攻撃したのか、そういったカードゲームとしてのバトル描写はむしろTV版よりも酷いかも。
 アニメ要らない、カードゲームの情報が欲しい、って人には厳しいね。

 そんな2つの映画が同時に楽しめる、ヴァンガード劇場版。
 ヴァンガードが好きなら見に行っても良いんじゃないだろうか、上映館がかなり少ないという欠点もあるけど、個人的には十分楽しめるレベルだった。
 来場特典として、PRカードのハーモニクスメサイア、も貰える。
 このカードはネオンメサイアの方に登場し、劇中のキーカードにもなるのだが…
 カードの能力そのものが面白い、現状では実際のヴァンガードのゲームでは使えないカードなので、いずれ使えるようなルールとシステムの改変が行われるんだろう。
 VGもまだまだ続くみたいだし、また映画もやるかな。
 今度はバディファイトと同時上映して欲しい。

劇場版 モーレツ宇宙海賊

 劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-
 監督/佐藤竜雄

 見てきた、本当は公開日初日に。
 2012年、TVシリーズとして放映されたモーレツ宇宙海賊の劇場版になる。
 本作の時系列は、TVシリーズ最終話のその後の話。
 総集編などではなく、実質の続編的な立ち位置になる。
 …とは言え、元々原作小説のある作品なので、正確には続編というよりは、アニメオリジナルの特別編と言ったところだろう。そもそも、原作とは随分設定も違う部分があるというしね。
 自分は、原作は未読、TVアニメ版は全て視聴済み。
 事前知識無しで見たTV版がかなり好みだったので、本作は純粋に期待することにする。

 白凰女学院高等部に通う加藤茉莉香は、私掠船免状を持つ合法の宇宙海賊。
 進級を間近にした春休みのある日、豪華客船への海賊営業中、乗客リストに無限彼方の名前を見つける。彼方の父である無限博士との約束を果たすため、茉莉香は彼に語りかける。
 「亜空の流れ、その果ては何色か?」 

 というお話、冒頭から突然感極まりないけども。
 内容は基本にのっとり、見知らぬ来訪者と共に物語が始まる、というオーソドックスなもの。
 冒頭からテンポよく展開するストーリーは、やや詰め込み過ぎ感があるものの、変に鬱屈したような部分が無いので、逆に最後まで勢いに乗ったまま見れるというのは爽快でもある。
 ただし、緩急の緩の部分、が無いとも言えるので、やはり少々忙しないか。
 正直なところ、一回見ただけでは細かいトコロまで理解が追いつかない部分も屡々。
 それでも決して話が分かりにくいというワケではなく、SF的なガジェットの説明がほぼ無しで展開するので、そちらの知識が全くないとやや厳しいか…といった程度だろうか。
 勿論、そのSF的な面白さも、キャラクタ達が所狭しと動くテンポの良さなども本作の魅力ではあるので、あまりSFにこだわりがなくとも、キャラを追っているだけでも楽しめる。
 その辺は、地に足の着いた脚本と演出の巧みさによるものでもあるんだろう。

 個人的には満足出来る面白さでした、期待を裏切らない内容。
 上映時間の90分少々とやや短めな中で、途中ダレること無く展開していく異常なまでのテンポの良さは、劇場版というよりはTV版の特別編という印象すら受ける。
 劇場版だからと言って特にへりくだった部分はないのも良い、TVシリーズで2,3話かけてやる話をそのまま一本にまとめたような、肩肘の張らない気軽さも魅力ではある。
 この辺は、劇場版らしい特別感が無い、という点にもなるのだけど、本作は特に格調高いワケではないアットホームなノリも魅力ではあるので、らしいと言えばらしいのだろう。
 そういう意味では、TVシリーズが好きなら、この劇場版も楽しめるだろう。
 と、太鼓判を押せるくらいのものに仕上がっている。
 TVシリーズと如実に異なっている点と言えば、劇場版のキーマンになる少年/彼方君。
 彼はゲストキャラクター、として存在するわけなのだけど、それにしてはその存在感は大きい。これは、劇場版を幅広い層に見てもらうための配慮の一つなのかもしれない。
 彼方少年を中心にして見れば、少年の成長ものとして本作を楽しむことも出来る。
 初見の方や、低年齢層のお子様は、彼を中心に物語を追うといいだろう。
 TVシリーズ視聴済みの方は、ゲストキャラを中心に動きまわる茉莉香他ヨット部メンバーや弁天丸クルー達を楽しめばいい。ノリはほとんど、TVシリーズのままなので。

 そんなわけで、非常に楽しめた一本でしたとさ。
 不満点を言えば細かいトコロはちょこちょこあるものの、既存シリーズの完全新作の劇場版としては近年の中では随一の出来だと思います。
 さてその不満点はというと。
 オチが物凄くアッサリというか、エピローグにしろ事件解決後のタメが一切無かったので、最後が肩透かしだったこと。ここで終わりなの?と突っぱねられたというか…
 もうちょっと余韻というか、スッキリと終わらせて欲しかったという感はある。
 展開が早くグイグイと引きこませる流れは大変よろしいのだけども、少しでも疑問に思った箇所や理解が追いつかないと、その流れに取り残されてしまうような印象もある。
 個人的にはそこまでではなかったのだけども、人によっては厳しいかな、とも。
 …正直、敵対組織が犯罪を犯し、大掛かりなことをしてまで彼方少年を付け狙う理由がよく分からなかったし…正式な手順で迎え入れることとか出来なかったんかな。
 あと、ネタバレになるかもしれないけども、俺は艦隊戦が見たいのであって、ロボットアニメを本作に求めているワケではない…とか、色々と。
 それでも、多少残念と思う程度のもので、些細な事だが。

 あと一回くらい見に行きたいところだが、流石にもう上映劇場は少ないか…
 純粋にSF、スペオペやら女子高生の日常の掛け合いやらと様々な視点から楽しめる作品なので、機会があるのであれば是非ともオススメしておきたい。
 どちらかというとSF全盛期に思春期を過ごした妙齢の方々にウケているらしいので、そういう意味ではやや古臭くも見えるかもしれないし、地味にも思えるかもしれない。
 …が、それを上手い具合に現代的に合わせてるところに魅力を感じる。
 軽いノリは上述したように低年齢層にも受け入れられそうなところもある、流石に子供過ぎるとアレだが、小学生中高学年くらいなら十分楽しめるんじゃないかしらね。
 SFはロマンだよなぁ。
 続編も十分に作れる世界だし、原作のストックも十二分にあるので。
 是非ともTVシリーズ二期を作って欲しいところだが、どうだろう。
 パチスロの結果次第かしらね…

劇場版 THE IDOLM@STER

 劇場版 THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!
 監督/錦織敦史

 見てきた。
 2011年、TVシリーズとして放映されたアイドルマスターの劇場版になる。
 基本スタッフはそのままに、TVシリーズの「その後」を描く。
 …というのが、本作である。
 近年ではありがちな、総集編プラス新作映像だったり、リメイクだったり、パラレルを描いた作品だったり、とは異なり、TV版と明確な時系列の位置づけをしているのが特徴の一つ。
 TV版最終話にて、物語の一区切りをつけた作品だけに、その後、をどう描くのか。
 その辺は、本編視聴者や、ファンにとっても気になるところだろう。
 勿論、自分もちゃんとTVシリーズは全部見た上での視聴になる。

 弱小芸能プロダクション、765プロ。
 所属するアイドル達と新人プロデューサーはその活動の末、その人気も徐々に世間に知り渡るところにあり、いよいよ事務所をあげたアリーナライブを開催するに至った。
 その中で、彼女達は少しづつ一人一人の道を歩き出し、新しくこの世界に足を踏み出す少女達と出会い、そして当たり前だった世界も、ゆっくり変わり始めていた。

 というお話。
 個人的には、非常に普通にまとまった作品という感じ。
 基本的なストーリーラインは王道にのっとり、地に足の着いた明瞭で分かりやすい物語が展開する。そこには唯物性や特筆するところはないが、普遍的な部分で実によく出来ている。
 そういう意味では、とても良く出来た脚本であり、ドラマが楽しめる。
 しかし、逆に言えば、それ以上のものは何も味わえない、ということでもある。
 全体的な完成度も高く、破綻もなく、アイドルものとしても上手くまとまっている。
 だが、よくも悪くもそれだけ、でもある。
 これに対して、本作を「とても良く出来た作品」として評価するか。
 それとも、「特に悪いトコロはない作品」として評価するか。
 このどちらかによって、本作の印象はガラリと変わると思う。

 正直なところ、本作に関しては後者です。
 アイドルものの映画として、悪いところは見受けられなかった。
 しかし、この本作でなければならない部分や、本作でなければ味わうことが出来なかったような要素、そういったものを感じ取ることは出来ない。ごく自然に、普通、としか…
 いやホント、凄い上手くまとまってる作品なんですよ。
 映画としても、一本のドラマとしても、アイドルものとしても。
 でも、あまりにも手堅くまとまり過ぎて、これといった見どころが無いというのが、本作の手痛いところだと思う。勿論、この上手くまとまってること、自体が凄いことなのだが。
 例えば。
 意外性のあるシナリオ、思わず見入ってしまう凄い作画、良い意味でも悪い意味でもネタになるような内容や展開、笑いどころやツッコミどころなど、そういう特徴といったもの。
 そういった、尖った部分が何一つ無いので、物足りなく感じてしまう。
 「良い映画だったね」というのは、視聴後の素直な感想ではあるのだが。
 それ以上でも、それ以外でも無いので。
 良い映画だった、そこで止まってしまう。
 後には、何も残らないし、何も得ることもないし、誰かと語り合いたいわけでもないし、絶賛もなければ一瞥もない、本当に、良くも悪くも「ただの良い映画」で終わっている。
 とても良い出来だったのは間違いないんだが…

 劇場版らしく作画は良好、癖はあるが安定したA-1の高いレベルの作画が楽しめる。
 売りの一つでもあるライブシーンは、最近流行りのCGとのハイブリッドで、臨場感やカメラワークとってもスクリーンで見る価値はあるだろう。中々良い迫力である。
 TVシリーズ版のアイドルマスターが、アイドルもの、としてよりも単なるキャラものとしての側面が強いため、非常に安っぽい話で終わったのが個人的に残念だったのだが…
 これに関して言うなら、この劇場版はTVの安っぽさを払拭する力がある。
 理由は単純で、アイドルとして実力をつけてきた自分達と、違う道を歩き始める仲間たち、そして、自分達に憧れアイドルを目指している後輩たち…という構図である。
 この構図そのものが、自然にドラマを引き締める要素になっている。
 TVシリーズのようにキャラクタを立てるためだけの安っぽい脚本は必要とせず、この構図だけでドラマが成立してしまうのである。故に、展開にメリハリが生まれるというワケだ。
 2時間少々という尺の中に、これらをギッシリ詰め込んだので。
 少女達の成長ものとして、アイドルものとしても、非常に手堅く、上手い具合にまとまった良作になっているのは間違いない。これは、素直にそう感じる。
 他にも、TVシリーズのキャラもの、という側面が薄まったおかげで。
 先を目指していくアイドル達と、それを追いかける新人アイドル、という構図に視点を合わせれば良いだけなので、TVよりは初見の人にも優しい内容になってもいる。
 そういう点でも、一本の作品、としてまとまっているとも言える。

 そんなわけで。
 単品の映画としてもよく出来ている作品ではあるのですが、これといった特徴があるわけでもないので、特別な魅力がある作品、ではないのが残念といったところ。
 それでも、作品の出来にしろ完成度は非常に高い作品なので。
 ファンはもとより、単品として完結しているので気になっている初見の方でも十分に楽しむことが出来るだろう。少女達の成長もの、は普遍的に人の心を掴むのだ。
 世間的な評価も高いらしく、それ自体には納得出来る出来はあるのだが。
 …少なくとも、絶賛出来る出来ではない、という点は釘を差しておこう。
 理由としては、上記したように特筆する点が無いということ。ハッキリ言ってしまえば、王道過ぎて話も半分を過ぎない内にオチまで完全に読めてしまう、それくらいありきたり。
 内容も、キャラクタも、何もかも、手堅い。故に、突き抜けられない。
 アイドルマスターというコンテンツにしろ、キャラクターにしろ、それらがどうであれ、本作を独立した映画として見た場合、その辺が非常に足を引っ張ってしまっている。
 凄く質の良い、美味い米と味噌汁を食ってるような映画だった。
 少なくとも、もう一度見たい、とは思わないかな…
 良い出来だが、面白いわけでは決して無かったからね。
 とにかく、悪い作品ではないので、とりあえずはオススメしておこう。
プロフィール

波多緒理樹

Author:波多緒理樹
アニメ見たりゲームやったり
同人描いたり酒飲んだりする
どこにでもいるような人間

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